日本航空(JAL)と英国航空(BA)、2つの航空会社のビジネスクラスに最近乗る機会に恵まれた。記憶にまだ新しいので、2社のサービスを3点満点で相対評価してみよう。
JAL
客室乗務員のサービスの良さ ★★★
座席の心地良さ ★★
料理の美味しさ ★★★
BA
客室乗務員のサービスの良さ ★★
座席の心地良さ ★★★
料理の美味しさ ★
よくもまああんなにも気が利くものだと思うくらい、客室乗務員のサービスは両社素晴らしい。JALの気遣いの方が自然な感じがして好きだけれど、これはきっと僕が日本人だからで、英国人は逆に思うのだろう。
座席の心地良さは、BAに軍配。JALの座席も4箇所可動式で快適であるけれど、BAが素晴らしいのはフルフラット・シートであること。完全な水平状態、まるでベッドになる。BAの謳い文句によると、「ビジネスクラスとしては世界で初めて、フルフラット・ベッドになるアームチェアスタイルの新シートを導入しました。新しいシートのシートピッチは約185cmで、従来の約1.5倍。高さ調節可能なフットスツール、全自動の内蔵ランバーサポート、リクライニング機能付きヘッドレストにより、垂直状態から完全な水平まで、お好みの体勢が思いのまま」、とのこと。熟睡できて、移動の疲れも半減される。
料理は逆に完全にJALの勝利。「イギリスの食事は不味い」ことで有名だけれど、それは空の上でもしっかりと守られている伝統のようだ。僕が今回オーダーしたメニューの一部は次の通り。
JAL(成田~メキシコシティ) 夕食>
・アミューズ・ブーシュ
鯛が美味しかった。ドリンクにシャンパンを頼んだのだけれど、アミューズが和食だったので、焼酎か日本酒にすれば良かった。シャンパンの銘柄は「シャンパーニュ・ピペ・エドシェック」。フルーティ。
・フォアグラムースとラタトゥイユのミルフィーユ仕立て
・アンチョビとケイパー風味の野菜のエチュベ
・牛フィレステーキ赤ワインソース添え
・フレッシュサラダ
・ブレッド
ステーキがウェルダンだったのが気に入らなかったけれど、どれも手が込んでいて美味しい。
・カラメルとマロンのケーキ
・コーヒー
きっと美味しいのだろうけれど、酒飲みの僕には甘すぎた。デザートは他にもチーズやらフレッシュフルーツやらが用意されていたので、そっちにすれば良かった。
JAL(メキシコシティ~成田) 夕食
・アミューズ・ブーシュ
サーモンとキャビアの取り合わせがとても気に入った。ドリンクは焼酎。福岡の芋焼酎「尽空」。鹿児島県南薩摩産「黄金千貫」という芋を使っているらしい。ロックで飲んだけれど、軽くて飲みやすかった。
・前菜 蟹のゼリー寄せ、鶏二身焼き、帆立の素焼き、鮭砧巻き、烏賊松笠
・小鉢 玉子豆腐海老添え
・向付 牛肉たたき
・煮物 葱鮪
・台の物 鰻の柳川風
・御飯
・香の物
・味噌汁
メキシコ滞在後の日本料理は、本当に美味しかった。前菜から台の物まで、見た目も味もどれも素晴らしかった。
BA(ロンドン~成田) 夕食
・車海老ときゅうりのサラダ
・季節のサラダ、ヴィネグレット
車海老もきゅうりも調理されてからかなり時間が経っているのが、一口食べると分かった。きゅうりの萎び具合が酷い。
・サーモン、バルサミコ風味の照り焼きソース
サーモンの身は大きく、脂ものって美味しいのだけれど、照り焼きソースの味が悪かった。醤油辛い。サーモンの下に敷いてある麺(?)も酷い。残してしまった。ドリンクでオーダーした白ワインは美味しかった。南オーストラリア、2004年、リースリング。
・トフィーアップルスフレ、トフィーソース
外国のお菓子らしく、甘さは日本のものよりもさらに強烈だった。やっぱり僕の舌はデザート仕様ではないらしい。コーヒーをすすって甘さを紛らわせた。
今見返しても、JALの圧勝だと思う。
ビジネスクラスの過剰サービスはいささか自分の身分には相応しくない気がしないでもないけれど、なかなか優雅な気分に浸ることができて自分にご褒美を与えている気分になれる。たまには良しとしよう。